2019年6月21日金曜日

スクエア1中級解法パート9 EPその3 - 補完的なEP手順

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート9に当たる記事です。

 本記事では、長い・回しにくいけれども平均タイムの短縮を目指すうえでは疎かにできない補完的なEP手順を紹介します。
 正直なところ、sub20を目指すくらいのレベルであればこのパート9の記事で紹介するEPを網羅する必要は全く無いように思います(もしかすると1個もいらないかもしれません)。日頃の練習でよく出てくると感じるものだけをピックアップして覚える程度でもよいと思います。

EPお品書き

パリティあり

  • U - opp・opp - U 各2種類
  • Z - adj・adj - Z
  • O - skip 2種類
  • opp - skip・skip - opp
今後追加するかもしれません。

EP手順

U - opp・opp - U

/3,0/-3,0/3,0/0,3/1,0/0,2/4,0/0,-4/2,0/-3,2/-3,-3/
反転無し
/-3,0/-3,0/0,3/1,0/0,2/4,0/0,-4/2,0/3,-4/0,3/0,3/
反転無し
/0,-3/0,3/0,-3/-3,0/0,-1/-2,0/0,-4/4,0/0,-2/-5,0/-3,-3/

/0,-3/0,3/0,-3/-3,0/0,-1/-2,0/0,-4/4,0/0,-2/4,-3/3,3/

ともに反転無し
/0,3/0,3/-3,0/0,-1/-2,0/0,-4/4,0/0,-2/4,-3/-3,0/-3,0/
反転無し

 パリティありのEPの中では比較的出現率の高い部類に入ります。さほど回しにくくもありません。平均タイムの安定を狙うならば覚えておいて損はないでしょう。

Z - adj・adj - Z

/-3,0/3,3/3,0/1,0/-2,4/2,-4/-1,3/0,3/-3,-3/
反転無し
/0,3/-3,-3/0,-3/0,-1/-4,2/4,-2/-3,1/0,3/-3,-3/
反転無し 

 指遣いに難儀する(特に-2,4/2,-4/のあたり)手順ですが、それでも手数が短いので思ったよりは速いタイムが出ます。

O - skip

/3,3/1,0/-2,-2/-2,0/2,2/-1,0/-3,-3/1,0/2,2/
反転無し
/3,3/1,0/-2,-2/2,0/2,2/-1,0/-3,-3/0,2/-2,-2/
反転無し

 U - adjの12スラッシュ手順と途中まで一緒です。次に紹介するI - skipなども含め、多くのパリティありEPではstarを作って2,0や-2,0するという同一のパリティ解除の方式が取り入れられています。

opp - skip・skip - opp

/3,3/1,0/-2,-2/2,0/2,2/0,-2/-1,-1/0,3/-3,-3/0,2/-2,-2/
反転無し
1,-1/-3,-3/1,0/-2,-2/2,0/2,2/0,-2/-1,-1/0,3/-3,-3/0,2/4,4/
反転無し
※下線部はopp - skip EPの2手目以降と同じ動き

 回しにくいのであまり出てほしくないEPです。CPの後いきなりこれらが出た場合は仕方ありませんが、他のEPをopp-skipやskip-oppに帰着するのは避けましょう。
 実を言うと、私(official avg. 16.49)は今のところO-skipやI-skip、skip-Iは覚えていません。身もふたもないことを言うとこのあたりのEPは出現率が低いので、覚えていなくても平均記録にはさほど響かないというのが実際のところです。


本記事シリーズで扱うEPは以上で全てです。まだ足りない手順があるという方は、以前の記事でも紹介したBrandon LinCharlie Starkのスプレッドシートを参照して手順のレパートリーを増やしてみてください。

2019年6月9日日曜日

スクエア1中級解法パート5 EPその1 - EP 2look処理に必要なEP手順

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート5に当たる記事です。

 本記事ではEPについて扱います。

 記事の本編に入る前に、全てのEP手順が掲載されている情報源として、ともにスクエア1の元世界記録保持者であるBrandon LinCharlie Starkのスプレッドシートを紹介しておきます。EPの手順はこれらを参照すれば十分です。

どのEPを覚えるか

 スクエア1のEPは全部で99種類あり、いきなり全てを覚えるのは現実的ではありません。というか、99種類全てを覚えて有効に活用している人はおそらく世界に一人もいません。
 
 ではどのEPを選んで覚えればいいのかという話ですが、基本的にはlook数を減らしていく方針が良いと思います。本シリーズ中級解法での当面の目標は、EPを2look以内で処理できるようになることです。

 2look以内でEPを処理するための方法論はsquare45011さんの記事で解説されています。3点交換以内のEPの中から特に汎用性の高いものを覚えておき、手順を知らないEPが出現した場合はadj - adjやopp - oppを1回用いることで既知のEPに帰着すればよいわけです。
CP時のペア保存を強く推奨する理由はここにあります。最低1ペアを保存すれば確実に3点交換以内のCPが出現するわけですから、ペア保存のテクニックを用いれば最初から既知のEPが出現する可能性がかなり高くなります。

 初級解法を覚えてひとまずスクエア1を解けるようになった方の多くは、adj - skip (L perm)・adj - adj (L-L perm)・opp - opp (I-I perm)の3つのEPを知っていると思います。 この記事ではこれらに加えて、EPを2look以内で処理するために必要な汎用性の高いEPをいくつか紹介します。

EPお品書き

 本記事で紹介するEPのリストです。パリティなしとパリティありのそれぞれで上側に書かれているものほど暗記の優先度が高いです。上から順番に覚えていってみてください。
  • パリティなし
    • adj - adj
    • opp - opp
    • opp - adj
    • adj - opp
    • easy U - U 2種類
    • bad U - U 2種類
    • U - skip 2種類
  • パリティあり
    • U - adj  2種類
    • adj - U 2種類
    • adj - skip
    • skip - adj
※adjはLとも、oppはIとも呼ばれます。

 本記事では手順の回転記号に加えて、中段反転の有無も掲載します。反転の有無は手順とセットで覚えるようにして下さい。これを知らないと後述するEPと中段反転のキャンセルができないからです。

EP手順(パリティなし)

adj - adj

0,-1/-3,0/1,1/2,-1/  反転無し

4,3/3,0/-1,-1/-2,1/ 反転無し

-2,-3/-1,2/1,1/ 0,-3/ 反転無し

adj - adjは交換するパーツの位置が異なるバリエーションがいろいろあります。最初は気に入ったものを覚えてみてください。上達してきたら複数覚えて使い分けをすることもできます。

opp - opp

1,0/-1,-1/6,0/1,1/ 反転無し

1,0/5,-1/-5,1/ 反転あり

opp - oppは反転無しと反転ありの手順の両方が有用です。最初は片方を覚えれば十分ですが、上達してきたら反転の有無で使い分けをします。

opp - adj ・ adj - opp

1,0/0,-1/0,-3/5,0/-5,0/0,3/0,1/ 反転あり

0,-4/0,1/0,3/1,0/-1,2/0,1/0,3/1,0/ 反転無し
0,-1/1,0/3,0/0,-5/0,5/-3,0/-1,0/ 反転あり

4,0/-1,0/-3,0/0,-1/-2,1/-1,0/-3,0/0,-1/ 反転無し

これらもopp - oppと同様に反転有無両方の手順が有用です。上達してきたら使い分けます。

easy U - U

1,0/5,-1/-3,0/1,1/-3,0/ 反転あり
1,0/3,0/-1,-1/3,0/-5,1/ 反転あり

 adj - adjを2回使っても揃えられますが、上記の専用手順の方が手数がかなり短いので覚えておくのが吉でしょう。

bad U - U

1,0/5,-1/-3,0/1,1/2,-1/-3,0/1,1/-3,0/

6,-3/-3,0/3,3/0,-3/1,-1/-3,0/3,3/0,-3/
ともに反転無し
1,0/3,0/-1,-1/3,0/-3,0/1,1/2,-1/-5,1/

-5,-4/-3,0/3,3/0,-3/-1,1/-3,0/3,3/0,-3/
ともに反転無し

 bad U-Uは8手かかります。adj-adj2回と手数が変わらないので、そちらでもいいかもしれません。
 1段目のものはeasy U-Uの途中にadj - adj EPを挟んだ手順、2段目のものはUにJするとJになるのでU-UはJ-JしてJ-Jという感じ(?)の手順です。

U - skip

/3,0/1,0/0,-3/-1,0/-3,0/1,0/0,3/ 反転無し
1,0/0,-3/-1,0/3,0/1,0/0,3/-1,0/-3,0/ 反転無し

 U - skipも両方8手でadj-adj2回と手数は変わりませんが、うまい指づかいをすれば非常に回しやすい手順です。余力があれば覚えてみてください。

EP手順(パリティあり)

 ここからパリティありの手順です。パリティがある場合は1度cube shapeを崩さないとパリティを解消できないので、EP手順が必然的に長くなります。
 覚えている手順が少ないうちはEPで3lookないし4lookかかることもあると思いますが、その時に1回のソルブで2度以上パリティありのEPを回さないことを必ず念頭においてください。パリティありのEPを回すのは原理的に最大1回で済むはずです。

U - adj・adj - U

/3,3/1,0/-2,-2/-2,0/2,2/-1,0/-3,-3/1,0/3,0/-1,-1/0,3/

6,0/3,3/1,0/-2,0/-4,0/0,-4/0,-4/0,-2/0,5/3,3/

0,6/-3,-3/0,1/0,-2/0,-4/-4,0/-4,0/-2,0/5,0/3,-3/

-5,-1/-3,-3/5,0/-2,0/-4,0/-4,0/0,-4/0,-2/0,1/-3,-3/

全て反転無し
/3,3/1,0/-2,-2/2,0/2,2/-1,0/-3,-3/0,2/1,-2/-1,-1/-2,1/

6,3/-3,-3/0,-5/0,2/0,4/0,4/4,0/2,0/-1,0/-3,-3/

0,-3/3,3/-5,0/2,0/4,0/4,0/0,4/0,2/0,-1/3,3/

全て反転無し
/3,3/-1,0/2,2/-2,0/-2,-2/1,0/-3,-3/0,2/1,-2/-1,-1/-2,1/

-3,6/3,3/5,0/-2,0/-4,0/-4,0/0,-4/0,-2/0,1/3,3/

6,0/3,3/5,0/2,0/4,0/0,4/0,4/0,2/-3,-2/-3,-3/

全て反転無し
/3,3/-1,0/2,2/2,0/-2,-2/1,0/-3,-3/0,-1/1,-2/-1,-1/-2,1/

0,6/-3,-3/0,-1/0,2/0,4/4,0/4,0/2,0/-5,0/-3,-3/

6,0/-3,-3/0,-1/0,-2/0,-4/0,-4/-4,0/-2,0/-5,0/-3,-3/

全て反転無し

パリティありのEPの中では最も出現確率が高いEPがこの4種です。手順のバリエーションがいろいろありますが、好きなものを選んで覚えてみてください。

adj - skip・skip - adj

/-3,0/0,3/0,-3/0,3/2,0/0,2/-2,0/4,0/0,-2/0,2/-1,4/0,-3/

反転あり
1,0/2,0/-3,0/0,3/0,-3/0,3/2,0/0,2/-2,0/4,0/0,-2/0,2/-1,4/0,-3/-2,3/

反転あり
※下線部はadj - skip EP

 adj - skipはL permとも呼ばれ、スクエア1のgod numberと同手数の13手を要する手順として有名です。長いので、他のEPをadj - skipやskip - adjに帰着するのはできる限り避けましょう。U - adj・adj - Uの4つのうちのどれかに帰着するのが基本です。
 skip - adjは図の位置から1,0/2,0とセットアップすることでadj - skipに焼き直すことができます。


 今回の記事で紹介するEP手順は以上です。理想的にはあらゆるEPを2look以内で処理できると良いですが、覚えている手順が少ないうちは難しい場合もあるでしょう。その場合は3look・4lookかかっても構いません。adj-adjやopp-oppを複数回用いて既知のEPに帰着してみてください。

EPと中段反転のキャンセル

 EP実行後に中段反転が残ることがわかっている場合は、EPの最終1手と中段反転の処理をキャンセルさせます。
 キャンセルの方法は過去に功さんのブログで解説されていますので、そちらをご覧ください。(功さんのブログでは中段反転・UD反転とのキャンセルが紹介されていますが、本記事の解法ではUD面色は固定しているので中段反転のみ考慮すればOKです。)

スクエア1中級解法パート6 成形その2 - 汎用性の高い成形

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート6に当たる記事です。

 本記事では成形手数の短縮に有用な汎用性の高い成形を紹介します。

偶数エッジ系の成形

 エッジが全て偶数個ずつ固まっているタイプの成形は、基本的にscallop - scallopに帰着すれば最短ルートからそう大きく外れることはありません。
 
 以下に偶数エッジ系成形の最短ルートの樹形図を示します。
偶数エッジ系の成形の樹形図(最短ルート)。shield-shield系統の成形は1手でscallop-scallop系統に移ることができます(青破線)。

図の通り、半分以上の成形はscallop-scallop→barrel-barrelのルートをたどるのが最短です。中にはshield-shieldに帰着するほうが短いものもあります。
 初めのうちは偶数エッジ系の成形はとりあえずscallop-scallopにまとめるようにしておいて、慣れてきたらshield-shieldの系統を覚えてみると良いでしょう。
 ちなみに 6-2 - star は例外的にこの樹形図から浮いていますが、これはstar成形なのでもう覚えていることでしょう。今まで通り処理してください。

5-1 - paired edges・5-1 perpendicular edges

 私が個人的にお勧めする超便利成形がこの2つです。これらはどちらも1手でkite-scallopに帰着できます。
5-1 - paired edgesと5-1 - perpendicular edgesの成形
 この2つの成形が便利なのは、難しい成形の多くのパターンが1, 2手でこのどちらかに帰着できるからです。功さんのブログの樹形図を見ると、特に5-1 - paired edgesの下に多くの成形がぶら下がっていることがわかります。最短ルートでさえこれですから、ひとまず最短を目指すことを置いておけば相当数の成形をカバーできるでしょう。

 偶数エッジ系以外の成形はひとまず5-1 - paired edgesか5-1 - perpendicular edgesのどちらかに帰着することを考えてみましょう。


 ところで5-1は3 corners(片面にコーナーパーツが3つ)の形なので、その対面はpaired edges・perpendicular edges・parallel edgesの3パターンしかありません。5-1 - parallel edgesの処理もついでに覚えてしまいましょう。非常に簡単で、1手で5-1 - perpendicular edgesに帰着するのが最速です。

5-1 - parallel edgesの成形

 これで、偶数エッジ系以外の成形はとりあえず片面に5-1を作っておけば大丈夫という状態になります。


 今回紹介する成形は以上です。
 これらの成形を覚えたら、あとは練習の過程で各成形の最短ルートの手順を少しずつ覚えていってみてください。覚える順番は手数の少ないものから網羅していくのでもよいですし、うえしゅうさんの記事のように類似の形をシリーズにして覚えていくのでもよいでしょう。拙作スクエア成形botもどうぞよろしく。

 多くの方は最短でも5手以上かかるような長手数の成形を覚えるのに苦労すると思います。次回の成形の記事では、そのような長手数成形を処理するための考え方をいくつか紹介します。

スクエア1中級解法パート7 EPその2 - 簡単なEP手順

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート7に当たる記事です。

 本記事では簡単なEP手順について扱います。手数の短い簡単なEPを見逃さないようにすると、単発力が上がり練習モチベーションも↑↑です。

EPお品書き

  • パリティ無し
    • Z - skip・skip - Z
    • H - skip・skip - H
    • O - opp・opp - O 各2種類
    • W - adj・adj - W
    • H - U・U - H 各2種類

 リストとしては上のように書きましたが、以降の手順の紹介では上下対称のものを適宜省略していきます。というのも、手順の構造を理解すれば容易に上下対称の手順を作れるものばかりだからです。

EP手順

Z - skip

1,0/-1,-1/-3,0/1,1/3,0/-1,-1/
反転無し
0,-1/1,1/ や 1,0/-1,-1/ をM2、3,0・-3,0をそれぞれU・U'と読み替えれば、上記の手順はM2 U' M2 U M2となります。3×3キューブで同様の動きをすると、センターの動きに目をつむればZ permになっていることがわかります。
 skip - Zは同じ原理でM2 D M2 D' M2などとすればよいわけです。

H - skip

1,0/-1,-1/-3,0/1,1/-6,0/-1,-1/-3,0/1,1/
反転無し
こちらはM2 U' M2 U'2 M2 U' M2です。3×3のH permと全く一緒です。

O - opp

1,0/-1,-1/-3,0/1,1/-3,0/-1,-1/
反転無し
1,0/-1,-1/3,0/1,1/3,0/-1,-1/
反転無し
M2 U' M2 U' M2 または M2 U M2 U M2とするとO - oppになります。

W - adj・adj - W

1,0/3,0/-1,-1/3,0/-3,0/1,1/-3,0/
反転あり
0,-1/0,-3/1,1/0,-3/0,3/-1,-1/0,3/
反転あり
W - adj はbad U - Uを回すのを途中でやめて戻るような手順になっています(と言うよりむしろ、bad U - Uが W - adj + I - I の構成になっています)。比べてみてください。

H - U

1,0/-3,0/3,0/-3,0/3,0/-1,-1/-3,0/3,0/-3,0/3,0/
反転無し
0,-1/-3,0/3,0/-3,0/3,0/1,1/-3,0/3,0/-3,0/3,0/
反転無し
初めにN - JのCP、ずらし方を変えてもう一度N - JのCP、と回すとH - Uになります。この手順の構成をわかっていると、初めの1,0や0,-1のずらし方には他のバリエーションもあることがわかると思います。回しやすいものを選んでみてください。


 今回は以上です。

スクエア1中級解法パート2 CP - CP手順全種類 + CP時ペア保存

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート2にあたる記事です。

 本記事ではCPについて扱います。

CP手順一覧

 CP手順は全部で8種類しかないうえに、どの手順も非常に簡単です。手順を覚えさえすれば2 ~ 3秒程度でクリアできるパートになるので、早めに網羅してしまいましょう。
 手順表を掲載する前に、念のためこの記事よりも信用が置けそうな情報源としてBrandon Linのサイト(http://brandonlin.com/cubing/eocp.html)を紹介しておきます。


J - skip
/3,-3/-3,0/0,3/0,-3/0,3/

/3,-3/3,0/-3,0/0,3/-3,0/
skip - J
/3,-3/0,3/-3,0/3,0/-3,0/
J - J
/-3,0/3,3/0,-3/

6,6/3,0/-3,-3/0,3/
N - skip
/3,3/-3,0/3,3/-3,0/3,3/

/-3,-3/-3,0/-3,-3/-3,0/-3,-3/
skip - N
/3,3/0,3/3,3/0,3/3,3/

/-3,-3/0,3/-3,-3/0,3/-3,-3/
N - N
/3,-3/-3,3/
N - J
/-3,0/3,0/-3,0/3,0/
J - N
/0,-3/0,3/0,-3/0,3/

 
 手順表内の画像にはエッジパーツの移動も掲載しています。各手順の名称の通り、3×3のJ-permやN-permと同じようにパーツが移動することに注意してください。後述するCP時ペア保存を考えるにあたって重要な点です。
 手順を覚えるのが億劫だという方も、記号を眺めるだけでなく是非いちど実際に回してみてください。どれだけ簡単かがわかると思います。

CP時ペア保存

 CP時ペア保存に関しては功さんのブログ記事に非常にわかりやすい解説がありますので、そちらをお読みください。

 テクニックの要点は
  • CP手順は 1,0 or 0,-1 or 1,-1 ずれた位置から始めても回せる
  • コーナー-エッジのペアの配置に応じてCP手順の開始位置を変えることで、ペアを保存することができる
という点です。

 複雑なEP手順を回さずに済む確率が高くなる非常に重要なテクニックです。必ずソルブに取り入れるようにしましょう。個人的には、CPを回し始めた直後にペア保存に失敗していることに気づいた場合は一度戻ってでもペア保存をし直すくらいでいいと思っています。

 さらに付け加えるなら、CPの前後でコーナー-エッジの揃ったペアの個数は変わらない(CPによって新たに揃ったペアが発生することはない)ということに注意すると良いでしょう。CP前に揃ったペアの個数を数えることができた場合、その後のEPの種類をかなり絞り込むことができます。詳しくは種々の先読みの記事で述べます。

例えばCP前にこの配置なら、この開始位置でN - J permを回すと
EPがadj - opp になることが容易にわかります。いかがでしょうか?

スクエア1中級解法パート4 成形その1 - 短手数の成形

 本記事はスクエア1中級解法シリーズのパート4に当たる記事です。
 
 記事の本編に入る前に、成形の全手順が紹介されているサイトを紹介しておきます。
 うえしゅうさんの記事では覚える順番までまとめてくださっていますが、本シリーズでは別の順番で紹介していきたいと思います。いきなり反抗的なことを言ってしまいましたが、最終目的は成形を全て覚えることで同じなので問題ないでしょう(適当)。

 本シリーズでは成形は3本の記事に分割して説明をしていきます。
成形の1回目に当たる本記事では、手数の短い簡単な成形を紹介します。

 なお、本シリーズではスクエアのUD面の平面図は両面ともU面側からの視点で表示します。

例えば左図のスクエアのUD面の平面図は、本記事では右図のように表示します。

 また、成形の名前はcubezoneのものに準拠します。 

star成形(花びら成形)の次のステップ

 スクエア1の簡易的な解法を習得された方の多くは、star成形(花びら成形)と呼ばれるルートで成形を行っていると思います。D面(またはU面)に一度starを作り、そこから5種類の手順に従って成形するルートです。

star成形のルートの一例。中には6手もかかる非常に長い成形があります。

 star成形は覚えるべき手順が少なくわかりやすいですが、所要手数が多く非常に時間がかかります。最適手順で成形を処理した場合の最長所要手数が7手であることを考えると、一旦starを作りにいってから4 or 6手かかる成形手順を回す、というステップを踏むstar成形がいかに非効率かがわかるでしょう。

  もちろんせっかくstar成形を覚えたわけですから、これは今後も活用していきます。本シリーズではその次のステップとして様々な形の成形手順を覚え、樹形図のレパートリーへの肉付けを行っていきます。

 スクエアの成形はある意味で3×3のF2Lと似ています。まず初めに簡単な形(F2LにたとえればIやT)を覚えておき、他の形は数手で簡単な形に帰着させて処理するという考え方で成形の手順を覚えていくことができます。

 本記事では、成形の基軸となる短手数の成形を覚えていきましょう。短手数の成形は他の成形の帰着先となるという点でも重要ですし、またその形が簡単な成形であることを知らずにstarまで戻ったりしてしまうと非常にもったいないです。スクランブルされたスクエアを見て「これは簡単な成形だ!」と即座に反応できるように覚えておきましょう。

短手数の成形

 本記事では3手以下(スラッシュ数が3回以下)の成形を扱います。中でも3手を要する成形は8種類ありますが、今回はその中から長手数成形の帰着先として有用な4種類に絞って紹介します。
 中にはstar成形のルート上に含まれていた形もあり、もしかすると見覚えがあるかもしれません。気楽に覚えていきましょう。

3手以下の成形の樹形図。赤枠で囲っているものが本記事で扱う成形。

 基本的には上の樹形図に従って処理すればOKです。本記事では赤枠で囲ったものについて以下で個別にコメントしていきます。赤枠で囲っていないものも、その特徴(対称線上で切る、互い違いにして切るなど)に着目すれば簡単に覚えられるかもしれません。余力があれば覚えてみてください。

1手成形

kite - kite


 成形完了の1手前は必ずkite - kiteになります。star成形を覚えた段階で気づいていた方も多いでしょう。
 上下面がそれぞれスラッシュ線を境に左右対称になるようにしてからスラッシュすると成形することができます。
 もちろんkiteが上下面とも前後逆になっている状態から回してもそろいます。臨機応変に使い分けてみてください。kiteを中段を挟んで面対称になるようにすればOKです。



2手成形

(easy) fist - fist


 (easy) fist - fistは、片面のfistの出っ張り部分ともう片面のfistのくぼみ部分をそれぞれスラッシュ線上に持ってきてスラッシュするとkite - kiteになります。
 (easy)と表記したのには理由があり、fist - fistには簡単なもの(2手)と難しいもの(6手)があるからです。見分け方は「fistが中段を境に面対称なら簡単な方」、「fistが中段を境に面対称でなければ難しい方」です。
 難しい方は一旦さておいて、今回は簡単な方を覚えましょう。中段を境に面対称になっていれば、前後・左右対称形でもOKです。

barrel - barrel

 barrel - barrel はbarrel(樽)を上下面でそれぞれ横・縦のようにしてスラッシュするとkite - kiteになります。縦・横としても同様になります。









3手成形

kite - scallop

 kite - scallop は上下面ともにスラッシュ線を境に線対称かつくぼみが両面とも手前(or 両面とも奥)になるようにしてスラッシュすると fist - fist になります。
 上下面のkiteとscallopが入れ替わっていても同じように処理することができます。






shield - square

 shield - squareは左の画像の位置でスラッシュすると fist - fistになります。squareはちょうど中段左側とフィットする向きになっています(伝われ)。
 shieldとsquareが上下逆の場合はちょうど左の画像の上下を入れ替えた向きでスラッシュしてください。同様に fist - fist になります。






(easy) pawn - pawn

 (easy) pawn - pawnは1手でfist - fistになります。
 pawnはfist同様に左右の区別があるため、例によってpawn - pawnには簡単な方(3手)と難しい方(5手)があります。見分け方はfist - fistと同じで、面対称なのが簡単な方、そうでないのが難しい方です。
 左画像の向きだとpawnの左半分が両方とも中段とフィットしてわかりやすいです。ただし左右対称形の場合は中段とフィットしないため、多少わかりにくいかもしれません。


scallop - scallop

 scallop - scallopは面対称かつ線対称な位置でスラッシュするとbarrel - barrelになります。非常にわかりやすいです。











 今回扱う成形は以上です。ぜひ覚えてみてください。
 また、上記の成形を覚えたうえで練習をする際は毎回のスクランブルが1・2手程度で今回挙げた3手成形のうちのどれかに帰着できるパターンでないかどうかを考えてみてください。それに気づくことができれば、大幅なタイム短縮になります。わからない場合は今まで通りstar成形を実行してください。