本記事ではスクエア1ソルブ中の各パートで可能な次ステップの先読みについて述べます。①成形、②CO、③EO、④CP、⑤EPの各パートでの先読みについて順番にコメントしていきます。
1.成形最終1手でのCO手順先読み
成形の最終1手は必ずkite - kite → square - squareの遷移で終わります。この遷移のときにU面のコーナーの色がどのように変わったかを見ておくと、CO前にD面を確認しなくてもCO手順が確定できる場合があります。(後述しますが、できない場合もあること注意。)
例えば成形最終1手でU面のコーナーの色が以下の画像のようにコーナーの色が変わったとしましょう。
CO手順の先読みが可能なコーナー色の変化
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この場合、kite - kite → square - square の遷移の過程で黄色のコーナー4個の所在を全て特定することができるので、D面を見なくてもCO手順がわかります。具体的には、右のsquare - squareの状態では黄色のコーナーは ULB, URB, URF, DRB の4か所にあります。
これがわかれば、あとはCOを処理するだけです。上の例では右のsquare - squareの状態から 4,0/3,0/などとすればCOを揃えることができます。(成形最終1手でU面からD面に移った黄色コーナーは、次にD面を回さずにもう一度スラッシュすると同じ位置に戻ってくる、と考えるとこの手順を容易に思いつくことができると思います。)
ところで、先述のとおりこの先読みは毎回のソルブで必ず使えるわけではありません。例えば、以下のようなコーナーの色の移り変わりの場合はkite - kite → square - squareの遷移の間にU面を見ているだけではCO手順を確定することはできません。
CO手順の先読みが不可能なコーナー色の変化 |
要は、DLFとDLBを黄色と白のコーナーが1個ずつ占めている場合はこの先読みは通用しないわけです。
この先読みできないパターンに陥る確率は計算してみると約57%(6C3×2C1/8C4 = 0.571... 合ってる?)で、結構高めです。先読みできる場合に賭けるか、先読みできないものと割り切って成形終了直前から先回りしてD面を見に行くかどちらが良いかは意見の分かれるところかと思います。
また、この先読み方法を拡張して成形終了の2or3手前からコーナー色の遷移を把握しておけば、毎回のソルブで必ずCO手順を先読みすることが可能になるのかもしれません。ですがそのアイデアは私の中では固まっていないので、誰かこれを確立できている方がいれば教えてほしいです(丸投げ)。
2.CO中のEO先読みはできるか
変なサブタイトルにしましたが、CO中にEOを先読みするのは厳しいと思います。CO最終1手が終わる前に食い気味にD面を見に行ってEOのパターンとAUDFを確認するのが吉でしょう。
3.EO開始時およびEO中のCP先読み
EOの記事でも述べましたが、本記事シリーズで紹介した4-4を除くすべてのEO手順は、手順前後ですべてのコーナーの位置が不変です。これを利用して、CPのパターンとその前に必要なAUDFを先読みすることができます。
例えばEOがone-oneで、EO手順適用の前のAUDFが済んだ状態で側面の色の配置が以下の画像のようになっていたとしましょう。
この場合、EO手順前後で全てのコーナーの位置が不変であることを考えればこの後のCP手順がadj - diagであって、その前に必要なAUDFが(3,0)であることがわかります。非常に簡単ですね。
CPの判断基準は2×2のortega methodなどで使用するものと同様です。
2側面を見たときに、
- 同一色のペア×2 → CPなし
- 同一色のペア + 隣接色のペア → adj CP
- 対面色のペア + 隣接色のペア → adj CP (対面色ペアの裏に同一色ペアがある)
- 対面色のペア×2 → diag CP
というようになります。一応2側面判断を前提として判断基準を書きましたが、実際はEO前に大きなAUDFがあることが多いので、ほとんどの場合3側面ないし4側面が見えます。さほど身構えなくても判断はできるでしょう。
ところで、この先読みの時にU段とD段どちらのCPから先に確認するのがよいかという話ですが、私はU段を先に確認するのが良いと思います。というのは、D段はEOを回している最中でもCPの情報が手に入るからです。
なぜそんなことができるかと言うと、4-4を除くすべてのEO手順ではその最中にDLF, DL, DLBの3パーツがその場から動かないからです。
図中黄色枠で囲った3パーツはEO手順の最中に全く動きません。各EO手順を回して確認してみましょう。
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したがって、D段L面のCPの情報はCOの最中でも手に入りますから、D段はF面のコーナーの色の組さえ見ておけば(F面なんて注視せずとも勝手に目に入るとも言える)、後からCPを確定できるという訳です。
また、上記のD段の3パーツが動かないという特徴から、CP時ペア保存をD段に関して右ペアと左ペアのどちらで行えばよいかまでわかる場合があります。例えば上の画像の場合ではDL - DLFのペアが残るので、CP時ペア保存の際はADFはなしでよい(0,-1 としなくてよい)ことがわかります。
4.CP時のEPパターン先読み
CP時ペア保存の原理で、色が揃っているエッジ-コーナーのペアは保存されるのはもちろんですが、当然色が揃っていないペアもそのまま残ります。したがって、CP前後でエッジ-コーナーのペアの数は保存します。
これを利用すると、CPの時点でEPをかなり絞り込むことができます。具体的には、色が揃っているエッジ-コーナーのペアの個数に応じてそれぞれ
- ペア4個 → skip
- ペア2個 → adj, opp
- ペア1個 → cwU, ccwU
- ペア0個 → Z, H, cwO, ccwO, W
のどれかであることは確定します。ペア0個の場合はあまりアドバンテージになっていない気がしますが、それ以外の場合は有効な情報になるでしょう。
さらに、ペア2個の場合は保存するペアの色の関係からadj or oppを確定させることができます。例えば以下の画像の場合を考えてみましょう。
CPの記事の画像の使いまわしです。 |
この場合、UD段ともこの位置からCPを回せば2ペアずつが保存されます。U段は青のペアと橙のペアが保存しますが、これらは隣接色の関係なので、CP後はadj EPが残ります。また、D段は青のペアと緑のペアが残りますが、これらは対面色の関係なので、CP後はopp EPが残ります。
このように、ペア2個保存の場合は2ペアの色の関係が隣接色か対面色かでEPがadjになるかoppになるかを判別できます。
5.EP後のAUDF先読み ※24年6月追記
EPの手順を回し終わっても、AUDFが完了するまでソルブは終わりません。3×3の場合はPLL手順と一緒にAUFまで覚えればなんということはない部分ですが、スクエア1の場合はU段・D段の両方を考慮する必要があること、さらに中段反転が入るとAUDFが変わることから、手順と一緒にしてAUDFを覚える方針はやや大変です。
そこで簡易的な(かつ十分通用する)対処法は、EP手順の最終スラッシュ前から後にかけて、スクエア側面の左半分を凝視してAUDFを判断する方法です。
要するに例えば、EP手順の最終スラッシュをしている最中に上図中の黄色で囲った部分を凝視すれば、最後のAUDFが -3,6 だということが容易にわかる、という話です。 |
ここを疎かにして、EPを回し終わってからAUDFを考えていると普通に1秒以上ロスするので、ソルブの最後まで気を抜かないようにしましょう。
また、中断反転なしの場合に上下段ともAUDFがEP手順前後で変わらないEPのパターンを把握しておくのは結構助けになると思います。例えば、adj-adj や U-skip(adj-adj 2回や J-J 2回 でない専用手順)などは手順前後でAUDFが変わりません。
本記事で紹介する先読みの手法は以上です。
一応この記事を以ってスクエア1 中級解法シリーズは終了です。記事を読んで知識をつけて頂いた方は、あとは練習を積むのみですのでがんばってください。
文字と図だけで説明していても限界があるのでexample solveの動画もモチベがあがれば撮りたいところですが、果たしていつになるやら…
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