2019年6月9日日曜日

スクエア1中級解法

 本シリーズでは、スクエア1の初級解法(例えば功さんのブログsquare45011さんのブログCubezoneのもの)を習得し、とりあえずスクエア1が解けるようになった方々を対象として、sub 25 ~ 20程度のタイムを出せるようになるための解法・手順を紹介します。

 近いコンセプトの記事は既にshellさんenotsさんが投稿をされていますが、本シリーズでは少々具体的に個々の手順の紹介を交えながら説明をしていきたいと思います。

 本シリーズで紹介する中級解法では、スクエア1を①成形 ②CO ③EO ④CP ⑤EP の5ステップに分けて揃えていきます。ステップの分け方自体は一般的な初級解法と同様ですが、中級解法では①~⑤の各ステップを基本的に1look(EPのみやむを得ない場合は2look)で処理していくことを目標とします。

 本シリーズのコンテンツは以下の通りです。
  1. CO - UD面色の固定
  2. CP - CP手順全種類 + CP時ペア保存
  3. EO - EO手順全種類
  4. 成形その1- 短手数の成形
  5. EPその1 - EP 2look処理に必要なEP手順
  6. 成形その2 - 汎用性の高い成形
  7. EPその2 - 簡単なEP手順
  8. 成形その3 - 長手数成形を処理するための考え方
  9. EPその3 - 補完的なEP手順
  10. 種々の先読み

 基本的には以上の順番で記事を読んで習得するとよいと思いますが、個々人の好みで順序を変えても構いません。ただし、1. のCO時点でのUD面色の固定だけは先に読んでください(後のパートに影響するので)。

 
 個々のパートとは別に、ソルブ全体に関する私からのアドバイスとしては、
  • スラッシュ回転ではなるべくR2とR'2を交互に使うように指づかいの練習をする
  • ネジの締め具合を定期的に調整する
  • 潤滑剤をこまめにさす
くらいでしょうか。どれもつまるところtpsに関わる内容です。スクエア1は3×3などと比較してソルブ内容の工夫の余地が少ないため、どうしてもtpsがものを言います。個々の手順の指づかいに関してはYouTubeで"square-1 finger tricks"などと検索すると良い動画が見つかるかもしれません。

 本シリーズではスクエア1の配色は最近(令和元年)標準的に使用されているU面黄色、F面赤のものを使用します。
本シリーズ全編にわたってこの配色を使います。


 それでは、各記事を読んでスクエア1の練習をしてみてください。この記事で1人でもスクエアer(?)が増えれば嬉しい限りです。

2019年3月25日月曜日

PLL 二側面判断基準備忘録

 PLLの二側面判断に過剰に固執する必要はないというのはいろいろなところで指摘されている通りですが、それでも二側面判断ができたソルブはそれ相応に速いタイムが出るなという気がしています。完バラの難しいパターンはともかくとして、せめてコーナー-エッジのブロックやコーナー-コーナーのペアが見えているパターンくらいは判断できるようになっておきたいと思うところです。
 そこで、自分用に二側面判断の判断基準のリストを作り、この記事を備忘録として残しておきます。練習をさぼっていると忘れてしまうので(鳥頭)。

 自分用なので私が現状で判断が怪しいものしか掲載していません。また、自分用なので日本配色青クロスです。さらに、自分用なのでPLLはn番号で表記します。
 自分用なので判断基準の表現もいい加減です。書いていると恥ずかしくなってきます。

ブロック + 隣接色サンド

左からG-perm(n18)、A-perm(n3)

 見出しで「サンド」と書いているのは上図でF面に現れている"ABA"のような模様のことです。これはキューブの学校さんでの言い回しに倣っています。
 ブロックと隣接色サンドが見えている場合、サンド側から見て色の順番が"ABAB"となっていればA-perm、"ABAC"となっていればG-permです。(3色か4色かでも判断できそう)

逆も然り。
左からA-perm(n4)、G-perm(n17)
この2つのPLLはともにこの向きが開始面です(n4はxしますが)。これは判断できるようにしておきたいですね。

対面色サンドのみ

左からG-perm(n16)、G-perm(n19)
左からG-perm(n16)、G-perm(n19)

 対面色サンドのみの場合はG-perm確定。サンドが無い方の面の奥側2つのステッカーが対面色の関係になっていれば、裏側にそれに隣接するようにコーナー-エッジのブロックがあります。そうでなければ、ブロックは逆側にあります。
 n16でもn19でもどちらにせよ開始面は対面色サンドがL面に来る向きです。このパターンは二側面判断はほどほどにしてAUFしてしまってもよさそうです。

内向きブロック

左からG-perm(n16)、G-perm(n17)、Y-perm(n15)

内向きのブロックがある場合はG-permかY-permです。ブロックがある方の面の奥側のステッカーから5枚分を見たときに、対面色×2ならG-perm(n16)、隣接色×2ならG-perm(n17)、対面色+隣接色ならY-perm(n15)です。
 CPの判断が前もってできていればもう少し楽そうです。対角CPならn15、隣接CPなら、ブロックがある方の面を見て対面色の組み合わせならn16、隣接色の組み合わせならn17です。

逆も然り
左からG-perm(n18)、G-perm(n19)、Y-perm(n15)

隣接色サンドのみ

左からR-perm(n11)、G-perm(n17)、A-perm(n4)
 隣接色サンドのみがある場合、サンドがある方の面からみてステッカーの順番が"ABABA"となっていればR-perm、"ABABC"となっていればG-perm、"ABACA"となっていればA-permです。R-permはこの向きが開始面です。これは判断できるようにしておきたいところ。

 逆も然り
左からR-perm(n12)、G-perm(n18)、A-perm(n3)


外向きブロックのみ・3色

左からG-perm(n16)、R-perm(n12)
 2側面に見えている色の数が3色か4色かというのは直感的に認識しやすい判断基準だと思います。J-permとN-permの判断は即座にできるという方は少なくないと思いますが、それはおそらく見えている色が3色か4色かで判断しているでしょう。
 外向きブロックのみがあり、見えているのが3色だけの場合は、ブロックがある方の面の2色の関係が対面色ならG-perm、隣接色ならR-permです。R-perm(n12)はこの向きが開始面です。

 逆も然り
左からG-perm(n19)、R-perm(n11)


外向きブロックのみ・4色

左からT-perm(n8)、A-perm(n4)、V-perm(n9)

外向きブロックのみがあり、見えている色が4色の場合、ブロックがある方の面の色の組み合わせが隣接色ならT-perm、対面色なら、ブロックがない方の面の内側のステッカー2つが対面色の関係ならA-perm、隣接色ならV-permです(判断基準が込み入りすぎかも。CP判断ができていれば容易になります)。T-permはこの向きが開始面です。

 逆も然り
左からT-perm(n8)、A-perm(n4)、V-perm(n15)


完バラ・3色

どちらもF-perm(n10)。ただし必要なAUFが異なる。

完バラかつ3色はF-perm確定です。奥から2枚のステッカーを見たときに、対面色の関係になっているほうに隣接するようにF-permの1×3ブロックがあります。


J-permのAUF

どちらもJ-perm(n14)。ただし必要なAUFが異なる。

n14は、見えている2つのブロックの色の関係が隣接色ならAUFはU2、対面色ならAUFはU'です。(私のn14の手順はR' U L' U2... です)



ひとまず以上です。不備不足等あれば加筆するかもしれません。

2019年3月6日水曜日

クロスの定石手順に伴うパーツの移動

 いくらクロスのパターン数が膨大であるとはいえ、最後の1,2個のクロスエッジを揃えるときの回し方のバリエーションはたかが知れています。いわゆるクロスの「定石」としてCube Voaygeさんで紹介されている手順がこれにあたります。

 定石のバリエーションが限られているのなら、それぞれの手順でパーツがどのように移動するか、より詳しく言えば、定石手順の適用前にどの位置にいるパーツが適用後にU面に出てくるのかをあらかじめリストアップして知っておけば、F2L#1のインスペクションがいくらか容易になるのでは?
 と思ったので、本記事ではクロスの定石手順によるパーツの移動のまとめをします。

 あくまで私がキューブを解くのを速くなりたいがために思いついたアイデアです。速くなる保証はありませんので悪しからず。

画像の見方

 各定石手順につき、3列に分けてパーツの移動が示してあります。左から順に、コーナーの移動・エッジの移動・崩れないブロックの移動 です。前者二つについては移動後にU面に出てくるもののみ示しています。
 この図示の仕方だとパーツの向きまではわかりませんが… そこはインスペクションで場当たり的に読めばいいでしょう(投げやり)。

 掲載手順はCube Voaygeさんに掲載されているもの + 私が時々使う手順 です。(随時追加するかも知れません)

2手定石

R' F


F R


F R2


R2 F


R F 


R F' 


F' R 



3手定石

R' F R


R Uw' R


R'2 F R


R' F R2


R F R2 


R' F R' 


F R' F


F' R' F


Rw' U Rw



4手定石はバリエーションが増えすぎるので網羅的にまとめるのはやめました。


画像を作ってみた感想

 …これ意味ある?????

一応やったこととしてここに残しておきます。

2019年2月17日日曜日

変態F2Lbot 掲載手順一覧

 拙作、変態F2Lbot(https://twitter.com/f2lalgsbot)の掲載手順一覧です。
 
 作成当初はこういったオプション的な手順は表にして覚えるものとは違うだろうという思いがあり(あとは単に私がtwittbotの使い方を覚えて味を占めていたということもあり)、twitterのbotという形でまとめていました。ですが特定のF2Lに対する手順を調べようとすると非常に探しにくいという点で不親切だなというのも前々から感じていたことで、今になって一覧を作った次第です。
 
 ところで、botの名前を決めるにあたってキャッチーな名前をつけようと思い『変態F2Lbot』と銘打ってしまったばかりに、昨今のスピードキュービング界隈には『変態』などという品位を欠いたワードが蔓延してしまっています。これは全部とは言わないまでも大部分は私の責任であると言わざるを得ません。……まあいいか。

使い方

 手順の探しやすさのため、スロット別に手順をまとめてあります。掲載している順番には全く意味はありません(私がbotに登録した順番に並んでいます)。
 青がF面です。水色は空きスロットを表しています。

 薄々気付いているとは思いますが、スピードキュービングへの実用性が高い手順は数えるほどしか含まれていません。
 日頃の練習でどうにも上手く処理できないF2Lがあったらまずcubevoyageさんなどを見て探し、それでも見つからなければこのページの一覧から探し、見つかったらその手順をしばらく使ってみて、速くなっているという実感が持てたらソルブに取り入れる、というように活用してもらえればよいと思います。
 
 ここに掲載されている手順を盲目的に全て覚えて使うというのは得策ではありません。やめましょう。

手順一覧

RFスロット

R F R U R' U' F' R'
M' U R U' Rw' U' R U R'
F Rw U Rw' F'
F R' F' R U R U R'
R' U R U R U R'
R' U2 R2 U R'2 U R
R U' R' U R U' R' U2 R U' R'
R U' R' Rw U' Rw' U2 Rw U Rw'
R U F R U R' U' F' R'
Rw U' Rw' U2 Rw U Rw' R U R'
F' L' U2 L F R U R'
R F U R U' R' F' U' R'
R U' R' F R U R' U' F' R U' R'
Rw U' Rw' U2 Rw U Rw'
F' L' U2 L F
F Rw U2 Rw' F'
R' F R F' U R U R'
Rw U' R' U R U Rw'
F U Rw U' Rw' F'
R’ U’ R’ U R2 U’ R2
R' U' R U' R' U R2 U' R'
R2 U' R' U R' U' R'
M' U R U' Rw' R U' R'
R U R' F R' F' R
M’ U' R U R' U2 R U' Rw'
Rw U' Rw' F R U R'
R U' R'2 F R F' R U' R'
R U R'2 F R F' R U' R'
R' Uw' R' Uw R
F U R U' R' F' R U' R'
Rw U2 Rw' F2
R' U2 R U' R U R'
R' F R F' U R U' R'
R' F R F' R U' R' U R U' R'
R' F R F' R U R'
F' R U R' U' R' F R
M U Rw U' R'w U' M'
R B L U' L' B' R'
R U R' U'2 R U' R' U R U' R'
       

RBスロット

R2 U R'2 U' R2
R2 U R U' R2
R U R U R U' R' U' R'
R U2 R2 U' R2 U' R'
R' U' R' F R F' U2 R
R2 U' R' U R U' R
R' U' R2 U R'2 U' R
Rw' U' R U M'
R'2 F R F' R
R' U R' F R F' R
R'2 U2 R U R' U R2
R' F U' F' R
R' F R' F' R U' R
Rw' U R U' R' U' Rw
Rw U2 R'2 U' R2 U' Rw'
R2 Uw' R2 Uw R2
Rw' F Rw F' Rw U Rw'
R' F R F' R' U' R
F R' U' R F'
R' U' F R' F' R U' R
R2 U R U' R U R
R2 U' R2 U' R2 U2 R2
R' U R U' R' U R U' R' U R
R' U' R U' R' U R' F R F' R
F' R' U' R F
R' U R2 U2 R'2 U R
R U2 R' U R' U' R
R'2 F R F' R U R' U2 R


       

LFスロット

F R U2 R' F' L' U' L
F R U2 R' F'
Rw U Rw' U' Rw' F Rw F'
F Rw U Rw' U' F'
R' Uw' R Uw R
R' Uw' R' Uw R
R' F R2 U' R' U2 F'
R' F' R2 U' R'2 F R F' R' F R F
       

LBスロット

R U' R' U R U' R' L U' L'
Rw U R' U R U2 B Rw'
Rw U' Rw' F L U L'
Rw U' B U Rw'
       


変態F2Lに手を出す前に知っていてほしいF2L手順

 有名な事実ですが、あるF2Lのパターンを持ち替え無くR(L)面とU面の回転のみで処理できるか否かは、そのF2Lのパターンでエッジパーツの向きが正しいか反転しているかによって決まっています。エッジの向きが正しい場合、そのF2Lのパターンには(手順の長短はさておき)R(L)面とU面の回転のみでスロットインする手順(いわゆる2-gen)が必ず存在します。

 F2Lの基本41手順としていろいろな場所で紹介されている手順の中には、本来持ち替え無しの2-genで処理できるにも関わらず、持ち替えを含む回し方が掲載されているものがいくつかあります。
 その理由はおそらく、F2Lを分類するときにはコーナーパーツのクロス色のステッカーがF面にくる向きでキューブを持つようにするという慣例があるからだと思われます。これはエッジの向きとは関係がありません。

 持ち替え無しで処理でき、かつ基本手順として紹介されていることが少ないF2L手順を以下に掲載します。
 普通にIT化しているだけの手順であり、変態でも何でもありません。これらを知らずにスピードキューブをするのはこの上ない大損です。確実に知っておきましょう。

U' R U R' U R U R'
U2 R U' R' U' R U R'
U L' U' L U' L' U' L
U2 L' U L U L' U' L
R U' R' U R U' R' U2 R U' R'
L' U L U' L' U L U2 L' U L
U R U R' U2 R U R'
U' R U2 R' U R U R'
U' L' U' L U2 L' U' L
U L' U2 L U' L' U' L

以上です。それでは、練習がんばってください。


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